世界に多数の愛好者を抱える空手(唐手)は、そのほとんどが沖縄にルーツを持つと言われています。この事実を知る方は意外と少ないようです。
沖縄では、古く琉球王朝時代から手(ティー)と言われる武術が武士階級の人々の間で伝承され、さらに中国との交易によって唐手(トゥディー=中国伝来の拳法)も盛んになり、一部は融合しながら今日の沖縄空手(唐手)に発展してきました。
私ども協会が伝承する上地(うえち)流唐手は、現在、剛柔(ごうじゅう)流、小林(しょうりん)流、松林(しょうりん)流とともに沖縄空手(唐手)四大流派の一つとして認知され、世界各地に多数の普及組織や道場が存在します。
流祖・
上地完文(1877−1948)は、1897年、心に期するところがあり、琉球・本部(もとぶ)町を後にして、中国(当時清朝)福建省に拳法修行の旅に出ました。
琉球にも明治政府の徴兵制が施行されることを忌避しての密航だとされていますが、先に福建省で拳法修行の経験がある同郷のA氏に触発されたこともきっかけのようです。